読み書き

本を読んで、血となり肉となるようなことがありました。ものを書いて、いろんな人との出逢いがありました。

セリーヌ

セリーヌ途中…

セリーヌの言いたかったことは本当らしい。言っているが、すでに。 古代から現代まで、ユダヤ人への嫌悪を表わした、名の知れた人々の証文さえ列記して。タキトゥス、セネカ、ルター、ヴォルテール、フランクリン… 下院議員、上院議員、銀行家、新聞社… 国家…

セリーヌの反ユダヤ主義

おそらくセリーヌは、ユダヤ人、、、、がヨーロッパを、アメリカを… 支配していくことに、恐るべき危惧を本能的に、作家としての嗅覚として察知したのではないか。 セリーヌがユダヤ人と書く時、必ずユダヤ人、、、、とルビが振ってある。 おそらく、全ての…

セリーヌの戦争

「夜の果ての旅」二度読み中。 この人は自分の戦争体験、志願して兵士となり、のちに完全な反戦主義者となる── 兵隊生活中の体験を全く内部から、その活動、生活ぶりを描いている… 残酷なのにユーモラス、笑ってしまう箇所多々あり。 この人が「真理は死しか…

「人間の敵」

セリーヌは「人間の敵」とまでいわれた作家だった。 しかし、野蛮で残酷で、戦争を好むのが変わらぬ人間の本性であるとするならば、「人間の敵」、これはなんと名誉な称号だろう!

セリーヌの怒り

「戦争と病気という、この二つの果てしない悪夢を除いて、僕たちの心底の気質の真実の現われがほかにありえるかどうか、僕は疑問に思わざるをえないのだ。」「生活をくたびれさすもの、要するにそれは、二十年、四十年、いやそれ以上も分別を保ちつづけよう…

セリーヌの本懐

「医者として平穏に暮らしたかった」「書かなきゃよかったと本当に後悔している」 晩年か、セリーヌはそんなことを言っていたようだが、それは彼の一面にすぎないだろう。 ただの町医者で、穏やかな人生。何も書かず、朝昼晩、白衣を着て椅子に座り、一日一…

日本の文豪と「人類の敵」と呼ばれた作家

セリーヌの反骨精神… というより「戦争はなくなるんだ」という強い意志の訴えとでもいうものか、文章でそれは表現されていないが読むこちらが感じ取るもの。 長い文章だからそれだけこちらにふかく浸み込んでくるようなもの。血となり、肉となる如きもの。読…

セリーヌのこと

二十世紀を代表するといわれるフランスの作家、セリーヌ。 その代表作といえば「夜の果ての旅」「なしくずしの死」。あとの作品は高価なので入手し難いが、安値で売られていた「城から城」「死体派」は手に入れ、今はその死体のほうを読んでいる。(死体のほ…