読み書き

本を読んで、血となり肉となるようなことがありました。ものを書いて、いろんな人との出逢いがありました。

道しるべ

何でも、書けばよい
遠慮など要らぬ
思ったことを書くこと
それが本当のこと
本当のことを言わぬ人間の言うことを
たれが信じ、聞くものか

ごまかし、あやかしばかりに工夫をこらして
自己喪失者の仲間に入るのはやめよ
山へ行け、山へ行け
「まだら牛」と呼ばれる町で
「こんにちは、いいお天気ですね」
そんなことばかり言い合って
笑う化粧を塗りたくった同じ顔
おまえは、あの作り笑いの群衆の中に
おまえの安逸を見い出そうとした
やめよ、やめよ
ほら、おまえ、おまえ自身をさえ導けなくなった

他人の顔に同化しようとしたからだ
他人の目で、他人の口で、他人の足で
あの町の中を往こうとしたからだ
やめよ、やめよ
これ以上、他人の足で歩くのはやめよ
山へ行け、山の高みを目指せ
おまえは、他者に導かれるでなく
自己自身に導かれよ