読み書き

本を読んで、血となり肉となるようなことがありました。ものを書いて、いろんな人との出逢いがありました。

荘子とニーチェ

 漱石が異常な関心を示し、吟味熟読したという「ツァラトゥストラ」。
 ツァラトゥストラは言う、「足を地に着けず、逆立ちして行くのがいい」──
「重さ」への否定。
「超えて行け、超えて行け」の超人思想に疲れた時、荘子の「無為自然」がなんと大きな慰めになるだろう。


 荘子ニーチェ。この二人の思想は、ほとんど人間離れしている。

 何も思わず、何も考えず、自分を忘れ、何の意識もなくして、ただ枯れ木のように在ればよい、という荘子

 かたや、人間ひとりひとりに内在する自己に目覚め、自己の真実から生きよ、というニーチェ


 静と動。剛と柔。水と火。
 その向こう側、こっち側に、接点が。

 和合する一致点、ほのかに、あり。